でXe氏が Nix コミュニティから距離を取ったとのことで(結構読んでて心が痛い)、経緯がいまいちわからなくて調べた。
いいまとめ
にことの経緯が要約されていた。
要点
- 権力構造がらみでNixコミュニティ自体のガバナンスがここ数年やばい状況だった
- 主要メンバーの Eelco Dolstra氏はかなり父権的な意思決定をしていた
- Dolstra氏からはこの危機的状況の解決を阻害するような振る舞いが見られた
- そのような横暴さに辟易するようなコミュニティメンバーも多数いて、氏に対するオープンレターも公開されている
- Dolstra氏はオープンレターに対する返答としてNixコミュニティの代替として彼の運営する会社のコミュニティを宣伝し始めた
なるほど、という感じ。 ちなみに Eelco Dolstra はNixOSの創始者。
オープンレター
オープンレターは結構分量があるので見出しと数段落だけ適当に目を通したくらいだけど、まあいろいろとヘイトを集めている様子がよくわかる。
個別具体的な事象に対する意見ということになるので、端的にまとめることが困難なんだけど同まとめに書いてあることを箇条書きにすると以下の感じ。
スポンサー問題
NixコミュニティはNixへのコントリビュートが許可されていないうえに、プロジェクトの性質上全く関連のないはずの軍事関係の企業がスポンサーとなっている。
これ、カンファレンスとかする際の協賛としてこの軍事関係の企業をNixコミュニティ公認として公表することになるので結構不穏だわね。
しかもこれについての議論はDolstra氏が率先する形で意図的に避けられているらしいっぽくて、不健全だなって感じ。
なんか粛清もあるらしい。こわい。
Meson互換性問題
Dolstra氏も賛同して進められていたMeson への移行について数年単位かけてコミュニティの努力のたまものとして着々とすすんでいたそうな。
ところがDolstra氏は突如として手のひらをひっくり返して Meson 移行を保留して5年くらい足止めしてるらしい。そこに正当な理由があるのかはよくわからないが、まとめにある引用から察するにマジで先述のスポンサーと利害関係ありまくりじゃねーかとしか思えない。(出典元参照のこと)
特に NDA を理由に意思決定の根拠について回答拒否すんの、結構深い闇を感じる。
Dolstra氏の反応
彼の会社である通称 DetSys のブログで彼の返答が公開されている。これは同まとめを読む前にXe氏のブログのリンクから、経緯がよくわからないまま読んだんだけどなんか当たり障りのないこと言ってるなという感じだった。
で、この内容についてどうまとめではそれについての(おそらく筆者の)所感が加えられている。ものすごい意訳になるけどざっとこんな感じ。
- 氏はブログ内で数いるうちの主要メンバーの一人であるかのように語っているが待ったくそんなことないし、めちゃくちゃ指揮系統のトップにいるだろーが
- RFC について関与してないというが(具体例をいくつも出しながら)全然そんなことねーよ
- 古参のNix開発メンバーが力持ち過ぎてコミュニティの自治とか実質効いてないないじゃねーかよ
- 軍事関係の企業がスポンサーになって金銭面での支援を受けてることのコミュニティの長にいる身として、その是非について明言しろよ
- お前のせいで台無しになってるコミュニティの避難所としててめーの会社に誘導すんのは不条理すぎるからやめろ
ということらしい。
まー確かにこう見ると信頼性にかなり問題がありそう。
仮に RFC 策定に関与してなかったとしても結局Nixのマージ権限を握ってるんだったら封建的な意思決定に変わりないしブログでの釈明については自信のふるまいという話題から権力構造に論点をすり替えたかったのかなあと思う。
感想
どんな問題もつきつめればすべて人間関係だな。
なんか Nix 使い続けるのちょっと抵抗出てきたので開発環境の構成管理は Ansible とか Vagrant を検討しようかなと思ってきた。
別に make でも shellscript でもなんでもいいけど。